生理と便秘
便秘かな?
生理前に、便秘になりやすいと感じている女性は多いようですね。
ここではまず、便秘とは何かをおさらいしておきましょう。
定義で言いますと、便秘とは便の腸管通過時間が正常で生理的な値(120時間まで)より長く、排便に困難をともなう症状が見られる状態、とされています。
一般には、排便が3日以上無い、1週間に3回以下程度しかないといったことや、残便感があるといったことなどで認識されますが、排便期間には個人差があり、体質や環境にも左右されますので一意に決めることはできません。
毎日排便がないといけない、と思われている方も少なからずいらっしゃると思いますが、例えば3日に一度だとしても、長年そうであり、苦痛もともなっていない場合は単に便の腸管通過時間の増加であることも多いですし、逆に2日間隔ぐらいでもお腹が張ったり残便感がある場合は便秘の可能性が高いです。
また、便秘の対義(反対の意味)は下痢や軟便となりますが、その状態であっても便秘になる場合があります。
自覚症状としては、腹痛や吐き気、直腸残便感、腹部膨満感(お腹が張る)、下腹部の痛み、食欲不振やめまいなどを引き起こすことがあります。
生理前の便秘は辛いですよね。これから便秘の原因や種類、解消するために気をつけること、できることなどを考えていきましょう。
便秘の種類
便秘は、大きく分けて2種類に分類されます。
【器質性便秘】
主に病気や疾患が原因であり、腸に障害がおきて腸管が狭くなっている状態。専門医の診断・治療が必要となる。
【機能性便秘】
腸管の機能低下、または排便機能の障害により起こる。便秘の大半はこちらです。
便秘の大半を占める【機能性便秘】は、さらに「一過性便秘」と「習慣性便秘」とに分類することができます。
まず「一過性便秘」の原因は、主に環境の変化による緊張やストレス、また食物繊維や水分の摂取不足によるものです。例えば旅行に行くと便秘になってしまう、という方がいらっしゃいますよね。一過性便秘は、大抵自然に収まると言われています。
一方「習慣性便秘」は、食生活や生活習慣が主な原因とされており、こちらはさらに3種類に分類されます。「直腸性便秘」「痙攣性便秘」「弛緩性便秘」の3タイプです。
「直腸性便秘」は、便意があるのに、例えば忙しいなどの理由で排便を我慢しすぎることによって、便が直腸のところまできているのになかなか出なくなってしまうことをいいます。そうするとやがて直腸が鈍感になり、便意が脳に届きにくくなって、便が溜まっても催しにくくなってしまうのです。
長い間便を溜めてしまうと、水分が吸収されて硬くなることでさらに出にくくなり、出た時もコチコチの便となります。
「痙攣性便秘」は、大腸の一部の収縮が活発すぎることにより起こります。 腸管の緊張が高まることにより、痙攣したり収縮が強くなりすぎてしまったりして、便がうまく運ばれなくなってしまいます。
小さく、硬いコロコロとした便が少し出るだけで残便感があったり、便秘と下痢を繰り返すことがあるといった特徴があります。
「弛緩性便秘」は、痙攣性便秘の逆にあたる感じで、主に腹筋の筋力の弱さで腸の動きが悪くなって起こります。大腸において広い範囲で便がとどまってしまうので、下腹部に張りを感じるようになります。
便は硬くて太い状態となり、出る時には出血をしてしまうこともあります。
これら【機能性便秘】は主に生活習慣が原因となって起こる排便機能の障害であり、症状が軽ければ食事や運動など生活習慣の改善で解消されます。
ストレスや感情の高まりによる自律神経のバランスの崩れなども原因となりますので注意しましょう。便意を我慢しないようにすることも大切です。
ただし、便秘は体の不調を訴えるサインでもありますから、長い間放っておいたり、症状が重くなると思わぬ病気の原因になることもあります。気になるようなら早めに専門医の診断を受けて、適切なケアをするようにしましょう
なぜ生理前に便秘になりやすいのか
なぜ生理前に便秘になりやすい人が多いのでしょうか。
生理前頃に便秘になる原因の1つとして考えられているのが、「黄体ホルモン」という女性ホルモンです。
生理前にはこのホルモンが多く分泌するとされ、その結果腸の蠕動運動が低下すると言われたり、肛門の粘膜に炎症を起こすと言われ、これが便秘の原因になっていると考えられていますが、正確にはまだはっきりしてない面もあるようです。
しかし女性だけにある生理が、便秘になりやすくなる原因を引き起こしていることは確かなようですね。
このホルモンが原因で、便秘のみならず時には痔を引き起こしてしまうこともあると言われ、女性にとってはありがたくない部分があるホルモンというわけです。
生理が便秘の原因になるのなら対策のしようがないとも思えるのですが、なるべく無理をせずストレスを感じないように過ごすとか、食物繊維や水分を適切に摂るといった一般的な便秘改善法を生理になる前から意識して行っていくことにより、便秘になりづらくなります。生活のリズムを整え、体のリズムを整えることが大事です。
生理前の便秘は、黄体ホルモンの影響によるものと考えられている月経前症候群(後述)の症状の一つに取り上げられることもあります。
月経前症候群(PMS)とは
生理前の便秘は、月経前症候群(pre-menstrual syndrome)の症状の一つと言われることが多くあります。
月経前症候群(以下PMS)とは、女性特有の症状であり、少なくとも8割以上の人が経験していると言われています。生理の1~2週間前から始まって、開始と同時に症状がなくなる場合がほとんどです。
便秘以外に主な症状として下痢、胸の張り、睡眠障害、にきび、むくみ、頭痛、腰痛、食欲不振もしくは過食、関節痛、注意散漫になる、イライラしやすくなる、心配性、情緒不安定、うつなどがありますが、出る症状については個人差があります。
原因ははっきりとはしていませんが、女性ホルモンの「黄体ホルモン」が関係していると考えられています。また、ストレスはPMSの原因とは考えられていませんが、PMSの症状を悪化させるといわれています。
精神的に不安定になり、気持が沈んだり怒りっぽくなったりすることから、本人の辛さはもちろんですが周囲への影響も考えられます。
また、生活習慣の良し悪しによって症状の出かたに影響したり期間が長引いてしまうことが考えられます。
仕事が忙しいなど避けられない面もありますが、プライベートの過ごしかたを工夫したり、食生活を改善したり、有効とされるハーブを活用したりするなど、軽減するために取り組みをしてみましょう。

